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ペナック先生の愉快な読書法
著者はモロッコ生まれのフランス人。教育をめぐる夫婦・親子の会話や家庭の風景を描いた物語を通じて、読書愛というメッセージが伝わってくる。酒井先生が、フランスを舞台にして、村上春樹のエッセイ風に書いた感じの本。原題は"Comme un Roman" by Daniel Pennac。邦訳者は南山大教授。翻訳ゆえに分かりにくい部分はあるが、引用される数多くの思想家や作品にはすべて注がついており、理解が助けられる。
「本を読め」と命令しても無駄。
読書への愛。
無償でする読み聞かせの喜び。
子供への期待。義務で読む本の重さ。
子供の気持ち。親の願い。
理解度を確かめない。
物語の主人公になること。
本を読む必要?
学校は努力を要する知識製造所であり、その目的は競争。もし、教師が読書を要求するかわりに、本を読む教師自身の幸福を分かち合うことに決めたとしたら?
読書は反抗の行為。
読書後の沈黙による蒸留。
好きな人と本。
分析をしない先生の読み聞かせ。生徒はリラックスしてよく聞くだけ。
小説はまず何よりも渇きをいやすもの。
本を読む時間がないのは、欲求がないから。本を読む時間は、愛する時間と同じように人生の時間を広げる。問題は読む時間があるかどうかではなく、読者としての幸福を自分で楽しむかどうかである。
読書と引き換えに何も求めないこと。質問しない、価値判断しない、解釈しないこと。
読書は贈り物。読む、そして待つ。
好奇心は押し付けられるものではなく、覚醒されるもの。
声に出して読むと同時に、話をして、宝をぶちまける。
教育カリキュラムに入っている本を「つまらない」ものにする恐怖。カリキュラムのすべては、試験当日に私たちが理解したこと、また理解するために血のにじむような努力をしたのだということを試験官たちにきちんとわからせるためだ。
学校教育≠文化。
読みたかったら読むように、本は書かれている。

若者に禁じてしまっている読書の権利10か条
1. 読まない権利
2. 飛ばし読みする権利
3. 最期まで読まない権利
4. 読み返す権利
5. 手当たりしだいに何でも読む権利
6. ボヴァリズムの権利(感動に浸る権利)
7. どこで読んでもいい権利
8. あちこち拾い読みする権利
9. 声を出して読む権利
10. 黙っている権利

翻訳は、前半のエッセイ部分の方がわかりやすい。パリの中学高校で20年以上フランス語の教師をしている筆者の実体験をもとに書かれている。種々多様な本を読み聞かせしているとのこと。

★★★★
Tags: [★:★★★★] [所蔵:愛知県図書館] [テーマ:本] [国:フランス]
一般書 【2009/01/18】 edit
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